大相撲幕内優勝力士贈呈の福井梅

福井県産 紅映梅の特徴

▲福井梅の代表品種「紅映梅」

  • 紅映というその名称のとおり、青梅の表皮が熟するに従って鮮やかな紅色に染まり、芳香を放ちます。
  • 種が小さく、果肉が厚いという特徴があります。(果肉歩合91.5~93%)
  • PHは2.7程度と中くらいで、酸含量は4.6%前後と程よい酸っぱさです。
  • 梅干に加工するのに適した品種で、「紅映梅」からつくる梅干は、果肉がやわらかく繊維のすくないおいしい梅干ができあがります。

福井梅には「紅映」のほかにも、梅酒用としてすぐれた「剣先」、梅干し専用種の「新平太夫」があります。いずれの品種も当地区で選抜育成されたものですが、福井梅の代表品種は「紅映」で、一般に福井梅というと紅映梅のことを指します。

福井梅の栽培状況

福井梅の栽培面積は、昭和55年頃までは260haほどでしたが、昭和56年より福井県の福井梅振興事業が始まり、平成12年には約2倍の518haになりました。(全国第9位)

※全国の主な梅の産地(平成13年度)
府県別結果樹面積(ha)収穫量(トン)出荷量(トン)
合計17,400123,000105,800
青森3192,6602,250
宮城5221,640983
福島5922,2101,260
茨城5891,150576
群馬1,33010,6008,890
神奈川4551,6501,390
福井5083,1202,870
山梨5812,2101,880
長野7714,0703,440
奈良3353,1702,980
和歌山4,31066,40064,800
徳島3823,2202,420
福岡4932,0601,440

梅の豆知識

梅の学名は“ムメ”

学名 「Prunus mume」

ムメってなんだか変な呼び方ですが、江戸時代から明治時代にはムメとよんでいたそうです。このよび方が学名(mume)としてつけられたのです。ちなみに原産地の中国では、メイというそうです。

梅のすっぱさの正体「クエン酸」とは

クエン酸は、無色の結晶で柑橘(かんきつ)類に多く含まれる有機酸のひとつです。

イギリスのクレブス博士は「このクエン酸サイクルがうまく廻っていれば健康である」と1953年に学会で発表してノーベル賞を受賞しました。クエン酸サイクルとは、食事から摂った糖質や疲労の原因物質である乳酸、体脂肪などを分解し、エネルギーに変換するサイクルのことです。

梅はいつごろから日本に来たの!?

日本に原生するものはほとんどないと言われており、中国から来たといわれています。奈良時代には、既に栽培されていたようですが、いつ頃日本に来たかはっきりとした時代はわかりません。

梅ぼしは平安時代からあった

平安中期の村上天皇が、梅干しと昆布茶で病が治癒されたことが記されている書物があります。また、日本最古の医学書「医心方」にも梅干が登場しています。梅干は身近で歴史の長い食べ物なのです。

戦国時代と梅ぼしとの関係

全然関係のないように感じますが、戦場での消毒や気付け薬、解毒、食欲増進など戦場の武士にとって、梅干しは貴重な存在になったようです。

福井梅の来歴(旧西田梅)

福井梅の発祥は、江戸時代の天保(1830~44年)に、三方町伊良積(いらづみ・旧西田村伊良積)の平太夫と助太夫という家の庭に実梅が植えられていたことに始まります。この梅の木は屋号から「平太夫梅」「助太夫梅」とよばれていました。この平太夫梅の古木は福井梅の起こりを物語る重要な遺産です。その後、先人達の努力によって明治時代にこの地のあった品種改良が行われ、「平太夫梅」と「助太夫梅」を交配して生まれたのが今の「紅映」で、「助太夫梅」を改良したのが「剣先」です。

明治・大正・戦時中の福井梅

当地は雪国ではありますが、若狭湾や三方五湖に面した西田地区は比較的温暖な海洋性気候の地で、果樹栽培が古くから盛んでした。しかし、明治、大正と昭和のはじめごろまでは、柿や桐実(ころび…油の原料)の栽培が中心で、なかでも桐実(ころび)は全国一の産地で、ウメはわずかでした。

それでも昭和10年代に入ると、西田梅は県下一の生産量となり、第二次世界大戦中も国の農産物統制による食料増産のために他の果実が伐採されていくなかで、梅干しは重要軍需品として軍隊に導入されたことで、西田梅の樹園は姿を崩すことなく栽培が持続されました。

Check

インフルエンザ抑制効果を発見

新型インフルエンザと同じ「H1N1型」のインフルエンザウィルスを感染させたイヌ由来の培養細胞に梅干しから抽出した成分を加えるとウィルスが100分の1に減ったという実験結果が出ているとされています。その働きをなすのは梅干しに含まれるポリフェノールの一種が影響を与えていると考えられています。

熱中症の対策の一つとして

熱中症は体温の調節がうまくできなることによっておきます。汗をかくほど暑い時は水分補給が絶対に必要ですが、水を取るだけでは十分ではありません。汗と一緒に塩分も体外に出てしまうため塩分も一緒に取ることが必要です。2010年の夏の猛暑では水分補給にスポーツドリンクが勧められましたが、食べ物の中にも脱水症を防止できるものがあります。そのトップに上がられるのが梅干しです。お茶と他のドリンクなどと一緒に梅干しを取ることで理想的な水分補給になるため身近な水分補給として梅干しを活用してみてはいかがでしょうか。

ピロリ菌をやっつける梅リグナン

胃炎や十二指腸潰瘍の原因として重要な役割を果たしているのは、ヘリコバクター・ピロリ菌だとすでに明らかになっていますが、胃炎の原因はほとんどはこの細菌によるものとされています。梅干しには梅リグナンという物質が含まれていますが、ヘリコバクター・ピロリ菌を倒せる可能性がある物質であり、抗生物質のような副作用は全くないものとして言われています。

近年の福井梅発展
昭和36年戦後は一時停滞しましたが、昭和36年の酒税法改正を契機として、梅酒ブームがまきおこり、「青いダイヤ」と呼ばれ農家の生産意欲を刺激し、生産にいっそうの拍車がかけられました。なかでも、需要がなくなった桐実(ころび)の木を伐採し、どんどん梅畠に変わりました。
昭和42年町内三農協が合併し三方五湖農協として発足した折りに「西田梅」から「福井梅」に改称されました。
昭和56年県の行政施策「福井県梅振興事業」によって、栽培面積、出荷量ともに飛躍的に拡大しました。(いずれも約倍増)
昭和61年福井梅は大相撲優勝力士に授与されるようになりました。

ページトップへ